1 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:16:21.06 ID:Kstl7/YTO
女「悪い?」
男「いや、悪いなんて言ってねーじゃん」
女「ならいいじゃない、かっこいーでしょ?前のは履き易さ重視だったけど今回のはデザイン重視で…」
男「あー、ごほんごほん。 いやいや、ありがとう、もうその類の話は御免だ」
女「…そういえば、あんたって万年制服で生活してるの?私服みたことないけど」
男「別に見せる義理でもあるまいよ」
女「ダサ男」
男「…」
5 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:23:12.97 ID:Kstl7/YTO
男友「お、女ちゃん靴変わったね」
男「おぁ、よく気付いたな」
男友「いや、なんか目につくというか」
男「ほうほう」
男友「女子でスニーカーとかってスポーティでいいよね」
男「生憎俺は清純派が趣味でね」
男友「…というとローファー?」
男「男のロマンだぜ」
男友「へー、ならあの子なんてどうでっしゃろ?」
男「?」
男友「おーい!女友ー!」
6 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:29:20.35 ID:Kstl7/YTO
男「おい、何故呼ぶ」
男友「だってお前、清純派が好みなんだろ?」
男「…で?」
男友「知らないのか、お前」
男「何がだ」
男友「お前、女子の間で寡黙でクールというレッテルを貼られているらしい」
男「んなけったいな」
男友「馬鹿かお前、寡黙クールなんて女子の憧れの的なんだぞ?」
男「で、どこにどう繋がって…」
女友「男友くん、呼んだ?」
男友「おお」
男「…」
7 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:35:19.69 ID:Kstl7/YTO
男友「女友、こっちが男。そんで…」
女友「やだなぁ男友くん、クラスメートなんだから顔と名前ぐらい知ってるでしょ?お互い」
男「(ゴメンナサイあなたの顔と名前は今やっと一致しました)」
男友「あー、だよな。特にお前はな!」
女友「う、うるさいよ!」
男「…あのー」
女友「ふぇっ!?ど、どうしたの男くん?」
男「いや、えっと話の収拾が」
男友「いいからお前は黙ってろ。おい女友、そちは今けぇたいでんわはお持ちかね」
女友「お、お持ちでございますです上様!」
男友「はっはっは!くるしゅうない、くるしゅうない」
男「…」
8 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:40:34.17 ID:Kstl7/YTO
女「何やってんの?」
男「おお、助かった、止めてくれる奴が来た」
女「はぁ?」
男友「よす、女ちゃん。靴変えたんだね」
女「あら、ありがとう!やっぱ男友はいい奴だね!それに比べて…(ちらり」
男「…おい男友。女友さんが何かをして欲しそうにこちらを見ている。どうやら屍のようd」
男友「あー、おーおー、男、ちょっと携帯貸せ」
男「台詞を遮られた…」9 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:44:41.59 ID:Kstl7/YTO
男友「えーと、赤外線赤外線…」
男「?」
女「…女友、何やってんの?」
女友「あ、あ、後で話すよ!」
女「…気持ち悪いわね…」
男友「…よし、完了。ほらよ、男」
男「???」
女友「じゃ、じゃあね!男友くん、お、男くん!」
女「ちょ、ちょっと、女友!」
男「…はい、先生。まったく状況が掴めません」
男友「よし特別に説明してやろう」
男「…」
10 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:52:11.42 ID:Kstl7/YTO
男友「女友ちゃんの存在は知ってた?」
男「さっき顔と名前が一致したぜ」
男友「んなこったろうと思ったさ。けど、可愛いだろ」
男「お前の彼女か?」
男友「…お前はとことん駄目だな…」
男「?」
男友「ええい話が進まん。つまり、だな、かくかくしかじかでお前の携帯に女友のメアドと電話番号を入れておいた」
男「なにゆえ?」
男友「それはかくかくしかじかだ!んで、それと引き換えに女友の携帯にはお前のが」
男「…ほぉ、公平な社会、明るい未来」
男友「わかったか?これでめでたくお前は清純派ローファー少女ゲットだぜ!」
男「…ふと思ったんだが」
男友「なんだ?」
男「メリットはどこに?」
男友「……」
11 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:53:28.80 ID:Kstl7/YTO
まだ全然靴関係の話がでてこないけどこれから色々出すつもりだけど
これ需要ない気がする
読んでる人居る?
12 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:55:28.53 ID:i+wqK9Qi0
ノ
14 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 01:56:58.46 ID:mg2bFBdNO
受け身な男を引っ張る女?
15 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 01:59:59.73 ID:Kstl7/YTO
うぉ、いてくださった
ありがとう
ではちょこちょこ書いてみます
眠くなったらいったん
止めるね
>>14
男は受け身というか天然?でも核心をついてくるキャラ…にしていくつもり
女は幼なじみポジション
結構強気
18 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 02:05:43.77 ID:Kstl7/YTO
女「はぁああああ!?ちょっ、女友、本気なの!?」
女友「しぃーっ!!!誰かに聞かれたら…」
男「…ええと、今取り込み中ですか」
女友「きゃあああああ!!!!」どすーん
男「…どっかにバナナの皮落ちてた?」
女「…あんた、タイミングっつーものが…」
男「大丈夫、ですか」ひょいっ
女友「(手、が握られて、いる!)あわわわわ、大丈夫です、はい!」
男「(…ふむ。確かに清純派…と、いうよりはドジっ子属性?)」
女「…いつまで手、握ってる気?」つねっ
男「あたたたた」
19 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 02:11:34.74 ID:Kstl7/YTO
女「何しにきたのよ」
男「クラスメートと友好を深めようと」
女「…明日は大雨ね」
男「自分でもそう思う」
女「やめてよ、新しい靴買ったばかりなのに」
男「んな理不尽な」
女友「あの…男くん?」
男「…ん、ああ…そうそう、女友さん。俺のメアドなんて貰ってどうする気?まだそんな喋ったことないのに」
女友「…あ、そうだよ…ね、迷惑だった?」しゅん
男「…あー、えっと」
女「…ちょっと男、まさかアドレス消して下さいなんて言いにきたんじゃ」こそこそ
男「最初はそのつもりだっいたたたたた」
女友「?」
20 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 02:18:49.96 ID:Kstl7/YTO
男「いだだだだ…うう、まだ赤みが…」
女「ごめんね女友、こいつ、人としてのコミュニケーション能力が欠けてるのよ、メールしたって損するだけよ?」
女友「いいの!あたし、その…」
男「…ああ、なるほど」
女友「ええっ!?」
女「!?(まさか、この一瞬で女友の気持ちに…!?)」
男「俺もですよ、女友さん。
…友達、あんまり居ないんで増やしたかったんですよね」
女「…だって、女友」
女友「…………う、うん!そうだよ!よろしくね!男くん!」
男「こちらこそ」
女「…(ナントカは盲目、といいますか)」
40 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 10:56:44.69 ID:Kstl7/YTO
きーんこーんかーんこーん
男友「早いもんでもう放課後だな」
男「ああ、全く便利なもんだぜ」
女「誰に向かっていってる、誰に」
男「おお、いつの間に現れた」
女「あんたが今日本屋に行きたいって行ったんでしょ」
男「そういえば、そうだな」
男友「…また仲がいいことで」
男「んじゃな、男友」
女「ばいばい、男友!」
男友「…さてはて、春はまだまだ先じゃのう、なぁ、女友よ」
女友「! …男友くん、いつから気付いてたの!?」
男友「今日メール送れよ?」
女友「…うん、ほんとにありがとうね!…でも、」
男「なーに、女ちゃんと男はただの腐れ縁さ」
女友「…ありがとう」
男友「いやいや」
男友「(俺ってこんな損する奴だっけ)」
42 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:01:16.29 ID:Kstl7/YTO
てくてくてく
女「さて、本屋いったしもう帰るわよ」
男「本屋に靴紐は売ってない気が…」
女「うるさいわね、ちょっと寄り道して待たされただけでうじうじうじうじ」
男「…はぁ、女っていうものは、何て時間がかかる生き物なんだ」
女「…時間がかかるのは女だけじゃないわよ」
男「うん?」
女「…例えば、恋の成就、とかね」
男「…おお、それはそれは気をつけなくては」
女「…何が?」
男「おかしい、Yahoo!天気のサイトでは明日は晴れ…」
女「…」
44 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:06:40.68 ID:Kstl7/YTO
男「送らなくていいのか?」
女「どうせあんたの家の向かい歩いて5分でしょ」
男「まあ、それはそうだ」
女「ああ、…でもちゃんと送って」
男「素敵な矛盾」
女「違うわよ!」
男「…?はて?」
女「ケイタイデンワ」
男「…ああ、」
女「あたしの大事な友達でもあるのよ、女友は」
男「…まあ、それで彼女が楽しいなら、送る」
女「…なら、いいけど」
男「んじゃな」
女「うん」
女「……ばーか」
46 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:12:06.68 ID:Kstl7/YTO
ぴーんぽーん
がららららら
男「…オハヨウゴザイマス」
女「…凄い隈。寝なかったの?」
男「いや、昨日女友さんからメールがきまして」
女「ふむ」
男「寝るタイミングを失ったというか」
女「………馬鹿?何の話をしてたの?そんなに盛り上がった話があったの?」
男「…えーと、確か」
女「ふむ」
男「忍者とシノビはどうちがうかについて…」
女「…」
47 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:16:21.03 ID:Kstl7/YTO
女「ところで雨が降らなかったわ」
男「そうだな、…おお、昨日買った靴紐、その靴に合う気がするような」
女「…気付いたの?変えたの」
男「…ああ、珍しく」
女「明日は部活の練習なんだけどなぁ」
男「…ふむ」
女「…何よ」
男「…お前はやっぱりスニーカーだな、と思ってな」
女「………そう、」
男「女友さんはローファーがよく似合う足をしていごふっ!」
女「ヘンタイ」
男「…怪我が増えたな」
女「ふん!」
50 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:22:11.11 ID:Kstl7/YTO
男友「よお、おはよう…素敵な隈と頬に赤み…昨日の夜はさぞ楽しんだかい?」
男「…まぁ、想像にまかせた」
男友「いやんハレンチ★プレイボーイ」
男「…あっはっは」
男友「あ、女友」
女友「…あ、おはよぉ、男友くん、あ!お、男くん…!」
男「あ、女友さん…昨日はごめん、寝れなかったでしょうに」
女友「ぜ、全然大丈夫!楽しかった、から!」
男「…ならよかった」
女友「…えへ、また今日していいかな?」
男「俺でよければ」
男友「…え、マジで?」
女「いやいやいやいや」
52 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:28:49.25 ID:Kstl7/YTO
3限目、体育にて
女「…で、かくかくしかじかでシノビがそうなって5時に就寝、と」
女友「そうなの!男くん、とっても物知りなんだね!…えへへ、また好きになっちゃった」
女「…うーん」
女友「…どうしたの?」
女「…いやいや、別に何でもないわよ」
女友「?…ああ、そういえば!」
女「?」
女友「じゃーん!あのね、昨日お父さんから遊園地のチケットもらったの!ちょうど、四枚!」
女「…今どこから出した?」
女友「まあまあ!…そこで、だよ女ちゃん!」
女「…ああ、なるほど」
女友「…一緒にきてくれるかな?」
女「…いーともー」
女友「わーい!」
女「…」56 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:37:43.08 ID:Kstl7/YTO
昼
男友「…でさぁ、くさいよなー、それ」
男「いやでもそれは…」
女「…なんの話をしている、なんの」
男「うお、神出鬼没」
男友「と、女友」
女友「ご飯中ごめんね、二人とも、明後日の予定、何かある?」
男友「明後日っつーと日曜か?」
女「そう。明日はあたし部活だし…」
男「…特にない、と思う」
男友「右に同じ」
女「じゃあ決まりね!」
男「?」
女友「はい、これ男友くん、それに男くんの分!」
男友「遊園地…」
男「…ご招待券」
女「現地に10時集合ね!いくわよ、女友」
女友「ま、まってー!」
男友「…先手必勝か」
男「? 何がだ?」
男友「…」59 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:43:52.81 ID:Kstl7/YTO
前日
ぴるるるる
男「あ、女友さんからメール」
『明日楽しみ!
いきなり誘ってごめんね
けど男くんたちと行きたかったんだ』
男「…だから何のメリットが…でもまぁとりあえず」
男「…悪い気はしないというか」
ほわーん
男「ローファーは男のロマン…というか」
男「…なんだこれ。…っと。とりあえず気を紛らせなければ」61 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:49:34.00 ID:Kstl7/YTO
女「…で、何故ここに」
男「いやはや、帰宅部学生が部活見学。健康的だろう」
女「…一人しか活動してないけどね」
男「土曜に自主練とはたいしたことで」
女「…別に」
男「…焼けたな、夏で、結構」
女「気にしてるのよ、やめて」
男「まぁ陸上部は仕方ないさ」
女「…走らないの?また」
男「…昔のことだ」
女「でも怪我は…」
ぴるるるる
男「あ、女友さんからメール」
女「……」
63 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:53:34.15 ID:Kstl7/YTO
男「…それに」
女「…?」
男「焼けた肌にはスニーカーがよく似合う」
女「…うるさい」
男「ほらよ」ぽいっ
女「?」
男「今日の夕方は雨だとさ」
女「…わざわざ、それで?」
男「後でずぶ濡れで帰って来て最近のお前の行動のせいだー!なんて言われたら面倒だからな」
女「…明日も降るかもね」
男「…それを忘れてた」
女「…そういえば、私服が見れるわね」
男「…あー、」
女「あんたの私服はジャージかパジャマしか見たことがないわ」
男「…」64 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 11:57:17.36 ID:Kstl7/YTO
男「じゃあな」
女「明日、遅れないでよ」
男「へいへい」
てくてくてく
『もう怪我は…』
てくてくてく
男「…怪我、か」
ぴちょん、ぽたぽた
男「…あ、」
ざぁああああ
男「…自分の傘、忘れた」
65 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:05:34.37 ID:Kstl7/YTO
当日
女「うーん!いい秋晴れね!」
女友「あったかーい!」
男友「女ちゃんの私服、初めて見た。やっぱスポーティだねぇ」
女「…女友みたいに、ふわふわしたのとか、似合わなくて」
女友「そんなこと絶対ないのにー!」
女「…ありがと。ところで…」
男友「…男は、いずこ?」
女友「お寝坊か、な?」
女「…昨日遅れんなって言ったのに…!」
女友「お、女ちゃ…!落ち着いて…!」
男友「…あ、もしかして」
女「?」
男友「おーい!男ー!」
女友「お、男くん!」
男「いやはや…ちょいと昨日は雨に打たれて風邪をこじらせてしまいまして」
女「…嘘、ほんとに男?」
67 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:09:33.86 ID:Kstl7/YTO
男「…ああ、髪か?」
女「ワックス?」
男「…いや、元々くせ毛なんだ。昔はもっと落ち着いてたんだが、最近になって何故か強く…。だからいつもがワックス、これが素です
時間がなくてそのまま…」
女友「…か、かっこいー」ぼそ
男「? 何か言った?」
女友「いや、えと!」
男友「…おーい、俺のこと忘れてないかー」
女友「…あ。えへ、へ?」
男友「…」
68 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:14:28.78 ID:Kstl7/YTO
男「さて、入るか」
女「う、うん…」
男「…何か変な物でも食ったか?」ずいっ
女「…へ!?な、なにが!?」
男「…いや、普通だったら、ここで『なんで遅れてきたあんたが仕切ってんのよ!』とか」
女「いや、あの…!!!!て、ていうか顔が近いのよ!」ばん!
男「へぶし!」
女「男友、いくわよ!」
男友「え、おわっ!ちょっと女ちゃん!」
女友「へ!?お、女ちゃん?!」
男「いでででで…」
71 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:18:56.41 ID:Kstl7/YTO
男「…どうやら二人になってしまいました」
女友「(ど、どどどどうすれば…!)」
男「女友さん?」ずいっ
女友「な、なな何かな!?(顔がー!近いー!)」
男「…ああ、ごめん…風邪で頭がぼーっとしてるので、声が聞き取りづらくて自然と顔が…」
女友「あ、そうだよ、ね!えっと…えっと…」
男「とりあえず、どこにいこうか」
女友「そ、そうだね!えーっと…!(なんでもいいや、指さしちゃえ!)あれで!」
男「…ふむ、なかなかいいスタートだ」73 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:22:14.54 ID:Kstl7/YTO
女友「あ、あのう…男くん、ここって」
男「みての通り、お化け屋敷だね」
女友「(ひえぇええ!!!!)だだだ、大丈夫!お化けはみーんなツクリモノ…!!!!」
男「…もしかして、苦手?」
女友「ぜ、全然だよ!お化けなんて、お化けなんて!」
男「ほほう、それは頼もしい」
女友「……」
74 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:26:50.75 ID:Kstl7/YTO
女「…はぁっ、はぁっ…ようやく撒いたわね…!」
男友「いやいやいや全然二人ともおいかけてきてないし!どうしたの、いきなり」
女「…なんでも、ない!」
男友「…なら、いいけどね」
女「二人に、なっちゃったわね」
男友「…まあ、そのつもりだったし、女友も頑張るでしょ」
女「…優しいのね」
男友「幼なじみだしね、俺と女友。ああ…女ちゃんと男も『腐れ縁』でしょ?」
女「幼なじみ、って言わないんだ」
男友「だって女ちゃん怒るでしょ?そう言うと」
75 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:29:07.72 ID:Kstl7/YTO
女「…よく、知ってるのね」
男友「…そりゃ、高校一年からの友達だからね」
女「たった一年じゃない」
男友「されど一年。あいつの口から、女ちゃんのこと、聞かなかった日ないもん」
女「え…」
77 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:33:22.33 ID:Kstl7/YTO
女「それって、どう…っんぐ」
男友「…さて、お話はここまで。せっかく来たんだしさ、楽しもうよ。女ちゃんは何乗りたい?」
女「…んぐ、ぷはっ!…いきなり口押さえなくたって!」
男友「いーいーかーら!ほら、どこ?」
女「…ジェットコースター」
男友「はい、決まり!行こう!」ぎゅっ
女「! (手、握ってくれてる…)」
女「…」
女「よし、いくぞー!」
男友「そうこなくちゃね」80 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:40:37.89 ID:Kstl7/YTO
園員「はい、それでは次の方どうぞー!」
女友「…さ、さぁーて男くぅん!行こう!早く行ってしまおう!」ぎくしゃく
男「…声、裏返ってる」
女友「そ、そんなことないぎゃああああ!」ごつん!
園員「扉、自動ドアですのでお気をつけ下さ~い…」
男「…すみません。ほら、行こう。女友さん」
女友「ご、ごめんね…!(は、はずかしすぎる…!)」
男「…なんか女友さんってさ、」
女友「…何、かな?」
男「んー、いや、
…可愛いと、思います(おちつきない、リスみたいっていうか、あれだ、サカナくんみたいというか)」
女友「ぎょ、ぎょぎょぁあああー!!!!」
男「あ、そっくり」
83 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:45:18.86 ID:Kstl7/YTO
男友「…ぜぇ、ぜぇ…うっぷ」
女「いやぁー!やっぱりジェットコースターは二回連続乗りに限るわねー!昼時で皆ご飯食べてるから、人少なくて助かったわ!」
男友「腹空いてる上に…っぷ、空が上下逆になって…っぷ」
女「…大丈夫?」
男友「…あん、まりっぷ」
女「…ちょっと休みましょうか。そこのベンチに座ってて!飲み物買ってくる!」
男友「…うーっぷ…」
84 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:51:51.06 ID:Kstl7/YTO
お化け屋敷の中
女友「…いいいいつまで続くのかな、男くん…」
男「…わからない。今のとこたいした驚きはなかったような」
女友「ええええ!???全身タイツの人とか、ずるずる這って来た人とかいたじゃない!」
男「…ああ、少しぼーっとしてました」
女友「…あ、そういえば、男くん風邪ひいてるんだっけ?」
男「うん、…いや、変な気遣いはしなくていいですよ、ちょっとだけだから」
女友「そう?ならいいけど…」
お化け役「(ほほう…またカップルかと思いきや、まだ友達、そして女の子の片思いときたか…へへっここはいっちょ怖がらせて女の子にチャンスつくってやるか!)」
85 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 12:52:25.30 ID:Kstl7/YTO
ちょっとご飯くってくる88 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:10:32.63 ID:Kstl7/YTO
金ちゃんヌードル旨味カレーうますぎワロタさて続き続き90 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:26:42.58 ID:Kstl7/YTO
男「あ、でももうすぐ出口らしい」
女友「ほ、ほんと!?」
男「うん、ほんとほんと、ほらここに出口って書いて…」
女友「え?どこどこ…」
お化け役「(今だ!行けぇえええっ!女の子、しっかり男に抱き着けよ!)ぎゃああああああああ!!!」
女友「へ!?いやああああああああ!!!!」どがぁあああああん!!!
92 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:29:43.69 ID:Kstl7/YTO
男「え」
お化け役「へぶぁああああっ!!!」
シュウウウウ…………
女友「…ったか…」
お化け役「………へ?」
男「あのー女友さん?」
女友「わはははは!目覚めてしまったか!我が体に!すべて!」ドドン!
男「…………?」
女友「………覚醒せよ、我が生まれし時に芽生えた静かなる道標(エターナルライフ)…!!!」
ごきっ!どがっ!ばこん!
男「いや、あの え?」
お化け役「ぎゃあああ!!!許して下さい!関節だけは!らめぇ!らめぇえええ!!!!」
女友「…フッ…己の弱さに恥じるが良い…さ…」がくん
男「…女友…さん?」
女友「…すぅ…すぅ…」
男「…えーっと、あの…」
お化け役「ひぃい?!」
男「…すみませんでした」ぺこり
お化け役「…」
95 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:35:59.71 ID:Kstl7/YTO
「…さん…」
「も…さん」
男「女友さん」
女友「ふぇ…え、うわぁああああああ!!!」がばっ
男「あ、気がついた」
女友「ど、ど、あれ!?お化け屋敷、は!?」
男「…ああ、えっと…」
女友「……はっ、まさか…!あたし…!」
男「…心当たりがあるのならいいんですけど…」
女友「……やっちゃった、かな?」
男「…多分、やっちゃいました」
女友「…ええと………」
男「…とりあえず、説明があれば幸い」
女友「…うぅ…(やって、しまった…)」
男「…なかなか面白かったけどなぁ」
女友「…か、隠していてもしょうがないし…話すね」
男「ふむ、なかなか面白そうです、ききましょう」
女友「…実は…」
96 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:42:48.69 ID:Kstl7/YTO
ジェットコースター前ベンチにて
女「ごめんねー!お待た…せ?」
男友「……すぅ、すぅ」
女「…あらまぁ。無理、させちゃったかなぁ…」
男友「……すぅ、すぅ」
女「…よいしょ」ぴたっ
男友「……す、すぅ、すぅ」
女「陸上部なもんで、生憎筋肉ついた太ももでしょうけど…」
男友「………すぅ」
女「固いベンチよりはましよね」
男友「…すぅ…」
女「今頃二人はどうしてるかなぁ」
男友「………」
女「…起きたなら起きたって言えば?」
男友「………すぅ…すぅ…」
女「飲み物、飲む?」
男友「もう少し…すぅ…このまま…すぅ」
女「……はい、はい」
男友「………すぅ」
98 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:49:47.83 ID:Kstl7/YTO
お化け屋敷前ベンチ
女友「…実は、あたしのお父さんは、武道が好きな男の人だったの」
男「ほう」
女友「昔から、空手、剣道、合気道…強さこそが正義だと、家に男の子が生まれなかったから、一人っ子のあたしは小さな頃からあらゆる強さを父に叩き込まれて」
男「……ふむ」
女友「練習が終われば家では熱き闘いが繰り広げられる少年漫画、アニメを見てた」
男「なんとワイルドな」
女友「昔はね?こんなに髪の毛長いのなんて許されなくて…いつもショートカットだったの。だから、可愛いものにすごく憧れて…」
男「…それで、今その反動?」
女「…うん、ていうかね」
99 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:54:09.53 ID:Kstl7/YTO
女友「…お父さん、体壊しちゃったの。トレーニング、いつもより体操いい加減にしてからやっちゃって。筋、切っちゃって。それで、自信もすぐになくなっちゃって」
男「…そっか」
女友「…最初はね、あたしもまだ小さかったから、やっとこんなに苦しいことから解放されるんだ、って大喜びだった」
100 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 13:59:04.16 ID:Kstl7/YTO
女友「お母さんも、元々可愛いもの好きで、やっと好きなもの着れるねって言ってた。髪も伸ばせたし、ピアノも習うようになって、靴だって、昔はあたしもスニーカーとかばっかりだったの。でも、お稽古のときは可愛い靴とかブーツもはけるようになって…」
男「…でも」
女「…うん、でもね、お父さんから習ったことは、今でも染み付いてる。それは、ただ単に体が忘れられないんじゃなくて、お父さんの考え、全部嫌いってわけじゃなかったの。…今でこそ、もうお父さんも普通になりきっちゃったけど、きっと、どこかで…」102 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 14:05:18.45 ID:Kstl7/YTO
女友「…あはは、おかしいね!なんでこんな過去にいつまでも捕われなくちゃいけないのかわからないけど、…えへへ、でもこの話、知ってる人なかなか居ないんだよ!女ちゃんも知らないし、男友くんも…」
男「…ほう、なんか得した気分だ」
女友「…そう?…男くんになら、話してもいいかなって、思って」
男「…そっか、ありがとう」
女友「…う、ううん!こちらこそ!ごめんね、色々迷惑かけちゃって!」
男「…いや、そういえば、昼、食べたっけ」
女友「…食べてないね、でも、なんかよくわからないけどお腹空かないなぁ」
男「奇遇、俺もだ。…でも、せっかく来たんだし、もっと乗り物…」
女友「…そうだね、男くん、何か乗りたいもの、ある?」
男「…ふむ、ああ、じゃあ、あれで」104 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 14:10:43.43 ID:Kstl7/YTO
女「ほら、男友!あんたが乗りたいって言ったから来たんでしょ!しゃきっとしなさい!」
男友「…うう、まだ気持ち悪さの余韻が…」
女「だらしないわね…」
園員「お二人様ですか?」
女「あ、はい!ほーらー!いくわよ!」
男友「うー…」
園員「急に揺らしたり、扉を無理矢理開けないようにお願いしまーす!」
がちゃん!
女「さて!ゆっくり観覧車一周の旅、れっつらごー!」
男友「…」
108 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 15:00:15.62 ID:Kstl7/YTO
女友「…意外だなぁ。男くん、観覧車好きなの?」
男「…いやぁ、なんか定番かと思いまして」
女友「そ、そっか!(っていうか、観覧車って二人きりの密室じゃない…!なんか…恥ずかしい…)」
男「…それに、」
女友「?」
男「…ちょっと、風邪が悪化したかも。うつしたら申し訳ない」
女友「え?うぁあ、そんなこと、ない、よ!そうだよね、観覧車だったら、景色見れるし、ゆっくり休めるし、いいよね!」あたふた
男「…ありがとう、優しいよね、女友さん」
女友「そ、そんな!」
園員「お二人様はいりまーす!急に揺らしたり、扉を無理矢理開けないよう…」
男「行こうか、女友さん」ぎゅっ
女友「………っ!は、はい!」
がちゃん
がたん がたん がたん…
110 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 15:04:37.78 ID:Kstl7/YTO
女「…見て、人がゴミのようよ」
男友「目がー!目がー!」
女「…ようやく、元気出たわね」
男友「…なんとか」
女「…気になる?二人」
男友「(ぎくり)」
女「そういえば、男友と女友が幼なじみっていう話、気になるわね」にやにや
男友「…別に、どうだっていいんじゃねーの」
女「あらそんなことないわよ。大事な女友の幼なじみでしょう?あなたは」
男友「ふむ…。なら交換条件だ」
女「なによ?」
111 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 15:08:41.89 ID:Kstl7/YTO
男友「…女ちゃんと、男のことも、聞かせて欲しいな」
女「! …そんなの、あたしとあいつは、ただの…」
男友「ねぇ、じゃあ一つだけ教えてよ。なんで『腐れ縁』なの?幼なじみじゃ駄目なわけ?」
女「…それを言ったら、全部じゃない」
男友「でも俺は知りたいなぁ」
女「…誰にも言わない?」
男友「うん!言わない言わない!」きらきら
女「………」
女「…はぁ」
124 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 16:31:11.37 ID:Kstl7/YTO
女「…あたしはね、昔はスポーツとかに全然興味なくて…」
男友「へぇ!意外!」
女「今でこそこんなだけど、昔は超お嬢様だったんだから」
男友「…ふむ、昔は、ね」
女「…痛い所をつくわね」
男友「…いやいや、この年の女の子で自称お嬢様の子はなかなか居ないから、信憑性があるよ?冗談は抜きとして」
女「…両親は二人で外国に行ったわ。あたしが小学生の時」
126 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 16:36:59.53 ID:Kstl7/YTO
女「…今は母方の祖母と暮らしてる。お金持ちなのは父方だから、今の家はごくごく普通の一般家庭」
男友「へぇ。で、いつから男と知り合いに?」
女「越してきたのが夏休み始まったばかりだったから、まだ学校に行くわけには行かないし、友達が居なかったのね、あたし。それで、心配した祖母が近所の子供達がよく遊んでるような場所に連れ出して…」
男友「そこで出会ったのか」
女「…そう。まだあたしはいわゆるハコイリ娘だったから、自分から話し掛けることすらまともにできていなかったのかもね」
……………
………
……
…
128 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 16:41:27.79 ID:Kstl7/YTO
小女「……(おばあちゃんは、ここで遊べってゆったけど、だーれもいないじゃない)」
みーん みんみんみん…
小女「…あついなぁ」
みんみんみん……
小女「……お家に帰りたいよぅ…」
『おばあちゃん、お買い物行ってくるからねぇ。
お友達つくって、帰ってくるんだよ。』
小女「…だれもいないのに、ともだちなんて、できないよぅ…っぐ…ひっく…」129 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 16:47:13.05 ID:Kstl7/YTO
小女「…っぐ…く…」
………みーんみんみんみん…
小女「……っく…」
「………何、してるの?」
小女「! だ、だれよ!?」
小男「…ひとに名前をきくときは、まず自分からだっておかあさんがゆってたよ」
小女「……うるさい、かまわないで」
小男「ふうん、なら、いいけど」ざく、ざく
…みんみんみん…
130 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 16:47:47.43 ID:Kstl7/YTO
小女「…………やだ!まって!」ぱしっ
小男「うわぁっ」どすん
小女「わ、わたしの名前…は、女よ」
小男「…いたたたた…急につかまなくたって、」
小女「ほら、あなたの名前は!?」
小男「…男」
小女「……へんな名前」
小男「…」
131 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 16:52:11.84 ID:Kstl7/YTO
小男「ふうん、ひっこしてきたの」ざくざく
小女「…そう、それで、おばあちゃんが、おともだち作ってきなさい、って」
小男「それはそれは大変だねぇ」ざくざく
小女「あなた、このへんの子?このへん、小さい子がだれもいないの。あたし、このままだとかえれないわ!」
小男「…ふーん、あ、できた」ざく!
小女「ちょっと!人のはなしきいてるの!?」
小男「…うるさいなぁ、…このへんには、ぼくらみたいな年の子はもう居ないよ。みんな大きくなっちゃった」
小女「…え!?」132 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 16:55:40.84 ID:Kstl7/YTO
小女「…じゃああなた、幼なじみとかいないの?」
小男「…このへんに住んでるひとは、『てんきんぞく』が多いってお母さんがいってた」
小女「…てんきんぞく?」
小男「仲良くなっても、すぐにどっかにいっちゃううらぎりもののこと」
小女「うらぎられたの?」
小男「…わからない。だから、いつもひとりだった。僕は。…はやく学校はじまらないと、僕はずーっとずーっと一人だ」
134 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 17:00:09.86 ID:Kstl7/YTO
小女「なにそれー!?じゃああたし、えいきゅうに家に帰れないじゃない!」
小男「…まあ、そういうことになるね」
小女「…っぐ…ぐっ…そんなのやだよぉ~っ…ひっぐ」
小男「…なんで泣くの?」
小女「…悲しくないの!?お家帰れないのよ?!」
小男「…別に。だって、家に帰っても、一人だもん」
小女「…そんな…う、うわぁああああん!!!!」
小男「…うるさいなぁ」
…みんみんみん…
143 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 17:42:33.55 ID:Kstl7/YTO
みんみんみん………
ぴんぽろぺんぱらりんりんりん♪
小男「…泣き止めよ、もう5時のかね、なったよ。帰らなくちゃ」
小女「…っぐ…ぐす…だって…まだ、だれもおともだち、できて、ない」
小男「…そこまでお前のおばあちゃんはごくあくひどうじゃないよ、きっと。ほら、手、かして」ぎゅっ
小女「……っ…く…」
小男「…家、どこ?」
小女「…そこ…曲がって…」
小男「…へえ、もう覚えてるんだ、えらい、えらい」
小女「…えへ、へ…」
小男「…なんだ、(ちゃんと、笑えるんじゃないか)」
145 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 17:48:58.38 ID:Kstl7/YTO
小女「…ここ」
小男「僕の家からちかいね、歩いてすぐだ」
小女「…おばあちゃん、怒るかなぁ」ぎゅっ
小男「…大丈夫。すみませーん」ぴーんぽーん
がらがらがら
祖母「…あらまあ!女ちゃん、お帰りなさい!…ごめんねぇ、おばあちゃん、このへんに女ちゃんと同じ年ぐらいの子、たくさん居るとおもったんだけれど、なかなか居なかったでしょう?」
小女「…う、ん…だから、おともだち…が」
小男「…おばさん、こいつは悪くないんだ、許してあげて」
祖母「? でもよかったわ~、女ちゃん、きちんとお友達、つくってきたのね!」
小女「…へ?」
小男「………あ」
祖母「その男の子、なんてお名前?ありがとうね、女ちゃんのお友達になってくれて」
小男「…いや、…えーっと」
小女「………」
146 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 17:53:31.37 ID:Kstl7/YTO
祖母「あら!じゃあ向かいの方のお宅の!まぁまぁ…家も近いのねぇ。たくさん女ちゃんと遊んであげてねぇ?」
小男「…あ、はははは」
小女「…」
祖母「今お菓子もってくるから二人で部屋で遊んでてねぇ」
がらがらがら
小男「…おい、いいのか」
小女「……何がよ」
小男「…何がって」
小女「……ちょっと気に食わないけど、いいわ。あなたのお友達になってあげる、あたしが!」
小男「………はぁ」
小女「?」
147 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 17:58:06.59 ID:Kstl7/YTO
小男「…ただしじょうけんがある」
小女「…じょう、けん?」
小男「いまのにほんはこうへいが当たり前なんだよ」
小女「…よく、わからないけど」
小男「……かんたんだ。お前は、僕をうらぎらないってちかえるか?」
小女「うらぎる…それっててんきんぞくになるってこと?」
小男「…かんたんにいえばそうだ」
小女「…大丈夫よ、あたしのお母さんもお父さんも、がいこくにいっちゃったもの」
小男「………ごめん」
小女「べつに、いいわ。だからうらぎらないし、大丈夫!」
小男「…じゃあともだち、だな」
小女「うん!…あ、でも」
小男「?」
148 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 18:04:05.54 ID:Kstl7/YTO
小女「わたしたち、しょうらいは幼なじみになっちゃう」
小男「…幼なじみは、うらぎるものだ」
小女「……ううん、じゃあ…」
がらららら
祖母「女ちゃん、お菓子、もってきたよ」
小男「…ありがとうございます」ぺこり
祖母「あらあらいいのよ、いつでも来ていいからねぇ。昔からの幼なじみみたいに」
小女「だーめー!おばあちゃん!幼なじみはだめー!」
祖母「…?幼なじみは、駄目なのかい?」
小男「……」
小女「…ねえ、おばあちゃん。幼なじみとおなじいみで、ちがう言葉、ない?」
祖母「……ふぅむ、難しいねぇ……あ、一つ、あるけど…ふふ、これはあんまりよくない言葉として使われるんだけど…」
149 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 18:08:10.93 ID:Kstl7/YTO
祖母「腐れ縁、て知ってるかい?」
小男「…くされ、」
小女「えん?」
祖母「離れたくても離れられない、磁石のような二人のことをいうのさ。二人は離れたくても離れられない…そんな縁で結ばれるのさ」
小女「…くされえん…くされえん!どう?これでうらぎらないよ!」
小男「…くされえん」
小女「決めた!わたしとあなたは、今日からくされえん!」
祖母「…ふふ、毎日楽しくなりそうだねぇ」
……………
………
……
…
150 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 18:12:22.10 ID:Kstl7/YTO
男友「…ひっぐ…っぐ…うう、おまえらのがごにばぞんなごどがぁ……」しくしく
女「ちょ、ちょっと!汚いわね!…はい、一個おわり。次は…」
がたん がたん…
がちゃん!
女「……え?」
園員「お疲れ様でしたー!お早めにお降り下さーい!」
男友「…ふぅ!さあいっぱい泣いたことだし、次いこっか次!」
女「ちょ、ちょっと!!!」
男友「…(まぁ、まだきっと、色々あるんだろうし、ね)」168 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 19:49:05.19 ID:Kstl7/YTO
がたがた…
男「…女友さん、高い所、苦手?なんか緊張してるみたいだけど」
女友「ち、ちがうよ!い、いやー!なんかね!あれだね!景色、いいね!(なんで観覧車って無意味に相手と近くなるの~!?)」
男「そっか、ならよかたたです…あー…てててて」
女友「…?どうかした?」
男「いや……ちょっと、目眩と頭痛が…あ…いたたたた、無理しましたかね」
女友「ええっ!?男くん!大丈夫!?…こ…くん…!…ん!」
男「………」かくん
…………
………
……
…
169 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 19:54:20.81 ID:Kstl7/YTO
『……こ』
『とこ』
『男!』
…みんみんみん…
小男「…女?」
小女「人呼び出しといて何寝ぼけてんのよ!宿題教えて欲しいって言ったの、どこのどいつよ!?」
小男「はい、僕です…」
小女「…ったく!あともう少しで夏休みも終わりじゃない!」
小男「…そう、だな」
…みんみんみん…
170 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:02:00.90 ID:Kstl7/YTO
小女「で?何がわからないの?」
小男「こことここと、ここと…」
小女「…あんた、来年は中学生よ?なんで割合の計算ができないのよ!」
小男「…いやぁ、面目ない…」
小女「…ったく…」ぶつぶつ
…ちりりん♪
小男「…かわったなぁ」
小女「…何が?」
小男「いや、やっぱ変わりねーか」
小女「?」
小男「…そのふりふり服、暑くない?」
小女「別に?……何よ?」
小男「いーや?」
みんみんみんみん…
173 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:12:49.96 ID:Kstl7/YTO
…ちりりん♪
小男「…そうか、来年は中学生かー」
小女「どうしたの?」
小男「…いや、部活何入ろうかなーと」
小女「部活、ねぇ」
小男「…スポーティなポニーテール女の子」
小女「……は?」
小男「着飾ったりしない、ゴーイングマイウェイで」
小女「?」
174 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:15:01.46 ID:Kstl7/YTO
小女「…何の話?」
小男「同じ部活の女の子予想図」
小女「…は?」
小男「その子とのめくるめくラブ・ララバイ」
小女「はぁ?!誰が!?」
小男「…俺が?」
小女「……」
175 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:18:08.02 ID:Kstl7/YTO
小男「あれ、張り切った冗談言ったつもりだったんだけど」
小女「………何部」
小男「…え?」
小女「何部入るの、男」
小男「………へ?」
小女「スポーティっていったら運動部よね?…さぁ、吐きなさい。今すぐ吐きなさい。面白いじゃない。そのラブ・なんとか!」
小男「………(冗談を、しらないというか)」
小女「さあ!さあ!さあ!」
小男「…あー………
陸上部?」176 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:22:49.56 ID:Kstl7/YTO
小男「(…これなら諦めるだろう)」
小女「…ふん、なるほどね、最高だわ!道具を用意しなくても済むし、いつでも出来るじゃない!」
小男「………は?」
小女「…ふふん!見てなさいよ男!あたしとあなたの腐れ縁は、絶対に切れないんだから!」
小男「………はぁ」
小男「………変わらないなぁ」
……ちりりん♪177 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:28:09.62 ID:Kstl7/YTO
がらがらがら!
祖母「…あら女ちゃん、おかえりなさ」
小女「おばあちゃん!」だんっ!
祖母「ひっ!?ど、どうしたんだい…?怖い顔して…!」
小女「あたし、今日からスポーティ女子になる!」
祖母「……?すぽーてぃ?」
小女「そう!例えばこのふりふりも!」びしっ
祖母「ふ、ふりふりも?」
小女「せっかく買ってくれたの履かないのは悪いけど、あの中学用に買ったローファーも!」びしっ
祖母「…靴も?」
小女「ごめんなさい、だけどはけないし、着ないわ!」
祖母「…ふぅむ…」
178 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:30:59.07 ID:Kstl7/YTO
祖母「…何があったかはわからないけど、とにかく…」
小女「と、とにかく…」
祖母「女ちゃんがやりたいのならそうしなさいな。頑張るんだよ?」
小女「…! うんっ!」
小男「…(止めに、きたんだけどなぁ)」
小男「ローファー、履かないの、か」
………みんみんみんみん…
179 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:34:49.35 ID:Kstl7/YTO
次の年、春
中女「おーとーこー!行くよー!」
中男「…へいへい…って、おお、初めてちゃんと見た」
中女「……?何がよ」
中男「…制服、」
中女「ふふん!どう?似合う?」
中男「まあ、まあ」
中女「…!」
中男「…と、いうのは冗談で… およ」
中女「今度は何?」
180 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:36:45.53 ID:Kstl7/YTO
中男「…いや、」
中女「……?」
中男「さて、行くか」
中女「あ、こら!遅れてきたくせに何仕切ってんのよ!」
中男「わはは」
中男「……(スニーカー、ねぇ)」
…………
………
……
…
182 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 20:37:59.43 ID:Kstl7/YTO
やっと、靴の話出せたかな…?話も多分中盤ちょっと過ぎ。あともうひとつイベント過ぎたらおわれるかな231 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 23:42:11.47 ID:Kstl7/YTO
放課後
男「女友さん、いこっか」
女友「あ、うん!ちょっと待ってよ男く…へぶぁっ!」どすん!
女「…これで自動的に放課後は一緒ってことね」
男友「なかなかいい作戦でしょ?」
女「………まあ、ね」
男友「……あ、そういや女ちゃん、今年もリレーでるんでしょ?」
女「あら、去年もでてたの、知ってたんだ」
男友「まあ、そりゃ」
女「……一位とっても、張り合える奴なんていないのよ」
男友「…それって」
女「…さ!帰りましょ」
男友「おー、ばいばい、女ちゃん」
女「…」ひらひら
232 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 23:47:46.23 ID:Kstl7/YTO
先生「…と、いうことで、彼が団長になります」
団長「皆、よろしく!勝とうな!」
『うおぉおお!!!』
男「…おー」
女友「おー!」
男「………」
ざわざわ
女友「男くん、鉢巻き似合うね!」どきどき
男「…そう?ありがとう。…あ、女友さん」ひょい
女友「…え?ひゃっ!」ささっ
男「…鉢巻き、曲がってたよ?」
女友「あ、あああありがとう…!」
男「……くすっ」
女友「?」
男「や、女友さん、頑張ろうね、一緒に」
女友「う、うん!」
233 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 23:54:25.35 ID:Kstl7/YTO
月日は過ぎて。
運動場にて…
どんどんどん!
ふれー!ふれー!
女「…運動会まであと二週間、か」
ちゃーちゃーちゃー♪
女「…皆頑張ってるなぁ」234 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/19(日) 23:55:19.19 ID:Kstl7/YTO
♪♪♪
どん!どん!
女「…あ、男、太鼓叩いてる」
女「………」
女「……さて、走り込み、走り込み……」
どん!どん!どどん!
女「…失敗してやんの」
『くぉら!男ー!そこはリズムよく叩けー!』
『へーい』
女「………
一人、青春を満喫ってわけね」
女「…ばぁか」
310 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:34:53.56 ID:Dfqe93hWO
運動会まで残り一週間
団長「…よし!今日の練習はここまで!残り一週間となったが、皆!気を抜かずに頑張ろう!」
「おー!!!」
女友「おー!」
男「…」
女友「……男くん?」
男「! お、おー!」
女友「…??」
311 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:39:04.99 ID:Dfqe93hWO
その後、教室にて
男「忘れ物忘れ物…っと」
がらがらがら
女「…あ、」
男「…! おう、久しぶり」
女「……ぶふっ!!」
男「…?何がおかしい?」
女「くくっ…!あんた、鉢巻きつけっぱなし!」
男「なっ…!……あ」
女「今まで練習だったの?」
男「……まあ、一応」
312 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:43:18.40 ID:Dfqe93hWO
女「…なかなか様になってるじゃない。よく聞こえるわよ?太鼓の音。…前より上手になったわね」
男「おお…って、前から聞いてたのか?」
女「! いや、えっと」
男「……ああ、そういえば、級長も色々忙しいもんな」
女「……あ、うん、そうなのよ。皆の出場種目まとめり、色々…」
男「……手伝うか?」
女「…っ!な、何よ、変に優しいわね」
男「…いや、別に」
女「…?」
313 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:45:43.27 ID:Dfqe93hWO
女「……そ、そういえば」
男「…?何だ?」
女「いや、その、あれよ。女友とは、最近どうなの?」
男「…どう、とは?」
女「仲良い?ちゃんとやっていけてる?」
男「………ああ、そうだ、ひとつ、お前に相談があるんだが…」
女「?」
314 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:48:01.06 ID:Dfqe93hWO
女「…どうしたの?」
男「…いや、もしかしたら、なんだが」
女「……うん?」
男「………女友さんは、あれか、その」
女「…!(ま、まさかやっと女友の気持ちに!?)」
男「…………女友さんは、
何か変なウイルスでも散布しているんだろうか」女「……………は?」315 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:50:54.42 ID:Dfqe93hWO
女「………変な」
男「…ふむ」
女「…ウイルス」
男「………これはこれで重要な相談なんだけど」
女「…あんた、なめてんの?」
男「いやいやいや。とりあえずその振りかざした拳を下に降ろしてくれはしないか」
女「何よ!変なウイルスって!馬鹿!?」
男「…いやあ、でも、これは病気としかいいようがないんだ」
女「…?」
316 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:54:21.93 ID:Dfqe93hWO
女「うじうじ言ってないで早く説明しなさいよ」
男「…いや、だから、」
女「ああもう!何よ!」
男「………あれだ、
女友さんが近くにいると…」
女「……近くにいると?」
男「……急に、呼吸が苦しくなるというか」
女「…ふむ」
男「…なんというか、うまく視点があわなかったり」
女「……うん」
男「……顔が、熱くなったり」
女「…………う、ん」
男「心臓が、やけにうるさいんだ」
女「……………そう」319 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 18:58:20.54 ID:Dfqe93hWO
女「……それは、いつから?」
男「……わからない。多分、一緒に運動会の応援団になって、からかもしくは前、か…
もしかしたら原因不明で、いつ発祥するかわからない危険なウイルスが俺を始めとして世界にかんせごふっ!!!」
女「………それはそれは、気の毒ね」
男「………い、いだだだだだだ!!!な、何をする!」
女「…あなたは病にかかったわ。金輪際あたしに近寄らないで。じゃあ」
がらがらがらがら
ぴしゃん!
男「……そ、そんな…!」
320 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 19:02:19.15 ID:Dfqe93hWO
玄関
ぱたぱたぱたぱた…
女「………ふざけないでよ、何がウイルスよ!馬鹿!?なんであたしに相談なんかしてくるのよ!」
『~♪♪♪♪』
女「…??着うた??」
『あの娘いい娘だこっち向いておくれ…』
女「…?」
322 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 19:06:07.28 ID:Dfqe93hWO
『キュ キュ キュ キュ キュ キュ
すねて横向きゃ なおかわい
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
恋の病いに お医者をよんで
キュ キュ キュ キュ キュ キュ
氷枕で 風邪ひいた
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
♪♪♪♪
』
女「…な、何よこの歌…!」
「知らないのかい?北島三郎のブンガチャ節…今や放送禁止になったらしいけどね」
女「……ぶん、がちゃ?」
「とうっ!」
323 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 19:11:32.77 ID:Dfqe93hWO
男友「愛のヒーロー、参★上!」
女「…男友」
男友「ふふーん!何かと影がうすくなってきたもんでね。ちなみにマントとお忍び舞踏会仮面は自腹を切りました…」しくしく
女「何してるの、そんなとこで」
男友「か、華麗にスルゥー!…さっき言ったばかりじゃない、愛のヒーローってさ」
女「…」
324 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 19:14:29.88 ID:Dfqe93hWO
男友「…さてはて、男も何やら女友のことが気になってきたらしいですねぇ、めでたいことだ!」
女「………そうね」
男友「………本当にそう思ってる?」
女「…!」
男友「………女ちゃーん、無理は禁物よ?無理は」
女「………っ。無理、なんて」
男友「……はぁ」
339 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 21:11:51.33 ID:Dfqe93hWO
夕方
がらがらがら
たったった
がらっ
女「おばあちゃん、ただいま!」
祖母「あらあら女ちゃん、お帰りなさい…ごほ、ごほ」
女「…ごめんなさい、すぐ帰ってくる予定だったんだけど…」
祖母「いいのよ、ごめんねぇ…季節の変わり目は
温度がすぐあがったりさがったりするのよ。
油断したおばあちゃんが悪いのさ…ごほ、ごほ」
女「起き上がっちゃだめよ、すぐご飯つくるわね!」
祖母「……ごめんねぇ、ごほ」
がらがらがら ぴしゃん
女「………」
340 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 21:16:51.58 ID:Dfqe93hWO
がらがらがら
女「はい、おばあちゃん。お粥だけじゃ栄養たりないかもしれないけど…」
祖母「ごほ、ごほ…いいや、女ちゃんがつくったお粥なら、きっと栄養どころか元気も一杯さね」
女「……一人で食べれる?」
祖母「あらあら、おばあちゃんを甘く見ないでほしいよ。食べ終わったらおいとくから、朝洗っておいてくれるかい?」
女「……そう、わかったわ。おやすみなさい」
祖母「おやすみ……ごほ、ごほ」
がらがらがら
女「……」342 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 21:22:32.40 ID:Dfqe93hWO
運動会まであと2日の朝
女「……じゃあ、行ってきます」
祖母「…ごほ、ごほ、いって…らっしゃい…ごほ」
女「!……あ、あたし、やっぱり、今日は学校いかない方が…!」
祖母「…大丈夫、大丈夫」
女「…でも………」
祖母「明日には治ってるから。だからほら、いってらっしゃいな」
女「……わかった、わ」
祖母「はい、いってらっしゃいね、女ちゃん」にこり
女「………いってきます」
がらがらがら
ぴしゃん
女「……今年の風邪は、長引くのね」
344 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 21:29:17.36 ID:Dfqe93hWO
学校
がらがらがら
女友「あ、女ちゃん!おはよう!」
女「…あら女友、おはよう。どうしたの?」
女友「ふっふっふ…じゃーん!みてみて!これ、作ってきたんだよ♪」
女「…これ、ミサンガ?…綺麗ね、自分で作ったの?」
女友「うん!…あの、あのね?」
女「…?」
345 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 21:37:11.74 ID:Dfqe93hWO
女友「……男くんに、あげようと思うの」
女「!」
女友「あ、えと、ただ単に、あの…一緒に応援団だから頑張ろうって意味であげるの!
それだったら、まだ好きだってばれないと思うし、それにそれに…」
女「…」
『心臓が、やけにうるさいんだ』
…………
女「……と、思う…」
女友「……ふぇ?」
女「男、喜ぶと思うわよ!」
女友「そ、そうかな!?」きらきら
女「…ええ!」
………
男友「………」
男友「……♪」
男友「恋の病いに お医者をよんで…♪」
346 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 21:43:37.24 ID:Dfqe93hWO
担任「…はい、じゃあ級長、挨拶して」
女「起立、礼!」
担任「はい、じゃあ皆さようなら」
『さよーならー!』
がやがやがや
女友「男くん、いこっか」
男「!…は、はい」
女友「…?」
女「………今日も今日とて、練習、か」
女「……顔赤くなってんの、わかりやす」
女「………はぁ」
男友「………♪」
357 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:25:02.80 ID:Dfqe93hWO
団長「みんな…とうとう明後日だ!今日明日ふんばってくぞ!」
「おおー!」
がやがやがや
女友「…(どうしよう…いつわたそうかな、ミサンガ…)」
男「…女友さん」
女友「…(今?いや、こんな人がいっぱいのところで渡したら変な注目が…!)」
男「…女友さん?」
女友「(…どうしようどうしようどうしよう…!)」
男「(…なにか嫌われることをしたかな)女友さ」
女友「ダァーッ!!!うるせるぁああああ!!!今は考えごとしとっきね!ぐだくだ横から口挟むなァアアア!!!!!」
どごっ!
男「…ぐ、ぐは…!!」
358 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:27:50.77 ID:Dfqe93hWO
女友「……はっ!男くん!!!きゃあああ!!ごめんね!!!最近精神状態がゆがむとすぐにこんなことに!」がしゃーん!
団員「あっ!応援用のポンポンがぐちゃぐちゃに!」
がやがやがやがや…
団長「な、どうした女友さん!」
団員「団長!お、応援用具が…!」
団長「な、なんだと!?」
女友「…ど、どうしよう…!」おろおろ
男「……いや、大丈夫、です……団長、ちょっと俺がふざけてました…」
女友「! そ、そんな!男くんは被害を受けただけで!」
359 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:34:11.44 ID:Dfqe93hWO
団員「…団長、このままじゃ応援用具が…」
団長「……ええい!男くん、女友さん!」
女友「…はい」
男「…はい」
団長「今日はどうせ雨が降る予定だったんでな、屋外練習はできんのだ。
だから今日までに、この控室で二人で壊れた用具を直して欲しい」
女友「……すみません」
男「…大丈夫だよ、女友さん。数はあるけど、そんなに損傷があるわけじゃない」
女友「……うう、ごめんね男くん」
男「……(むしろ二人だけでラッキーだと思ってしまった…これもウイルスか!?)」ぎらんっ
女友「!?(ひ、ひえぇ!やっぱ男くん怒ってる…!!!)」
団長「じゃあよろしくたのんだ!皆、いくぞ!」
『はい!』
がらがらがら、ぴしゃん
360 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:41:45.68 ID:Dfqe93hWO
男「…やりますか」
女友「あ、うん!…え~っと、まずは…(ど、どうしよう…ま、まずはこのポンポンから…!)」ぴとっ
男「! あ、…じゃ、じゃあ女友さん、これ、よ…よろしく(手、手が)」
女友「あ、うぁああ、うん!(触れてしまった!な、なんか恥ずかしい!)」
男「………」
女友「………」
男「(……なんだろう、また)」
女友「……(どうしよう)」
男・女友「(ドキドキする…)」
362 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:44:36.78 ID:Dfqe93hWO
男「…そ、そういえば女友さん」
女友「! は、はい!なんでしょう!」
男「…運動会の日は、ローファーじゃないよね?」
女友「? あ、あたりまえだよ!そりゃ、女ちゃんみたいに走りはしないけど、一応競技にはでるしね!」
男「…確か綱引きだっけ」
女友「うん、そうだよー!」
363 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:48:16.43 ID:Dfqe93hWO
男「…そっか。じゃあ女友さんの珍しいスニーカー姿が見れるわけですね」
女友「そんな見せれるほどの足じゃないけどね~」
男「…いやいや。でもスニーカーか、…ふむ」
女友「…?どうかした?」
男「…いや、なんでも」
364 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:53:46.95 ID:Dfqe93hWO
女友「男くんは、何に出るの?」
男「…えーと、確か…
騎馬戦?」
女友「おおー!かっこいいね!」
男「そうかな?」
女友「うん、かっこいい、すごく!」
男「…やめやめ。なんだか照れ、ます」
女友「…?」
男「あー…(違うっつの。俺がかっこいいんじゃなくて、騎馬戦がかっこいいの、)……と、女友さん」
女友「? どうしたの?」365 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 22:56:30.44 ID:Dfqe93hWO
男「さっきからずっと気になっていたんですが…」
女友「…あっ」
男「その、ポケットからでてる黄色い糸?みたいなものは…」
女友「……や、えーっと(い、いまよあたし!)これは、ね!」
男「?」
367 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:00:19.43 ID:Dfqe93hWO
女友「…男くん、利き手はどっち?」
男「…?右、だけど」
女友「そっか。よし、じゃ、目つむって?」
男「……?」
女友「ほ、ほらほら早く!」
男「…ふむ…これでいい?」
女友「…よし。じゃあつけますよ~」するするする
男「???」368 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:04:06.79 ID:Dfqe93hWO
女友「……はい、できた!も、目あけていいよ」
男「…これは、」
女友「ミサンガ、つくったの!一緒に応援団、頑張ってきたから…運動会で、勝てるようにおまじない!わたしたちの団、黄団だから…黄色いミサンガだよ?」
男「おまじない…」
女「うん♪…迷惑だった?」
男「…いやいやいや。ありがとう、…嬉しいです」
女「…うあぁ、なんか照れるなぁ」
369 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:06:38.09 ID:Dfqe93hWO
男「ミサンガ、か。久しぶりにつけたな…」
女友「昔もつけたこと、あったの?」
男「…ちょっと、ね」
女友「昔は部活動でつけてるコ、多かったんだけどね」
男「……今は違うの?」
女友「うん、……今はね、恋のおまじないでつけるコも増えたんだよ」
男「……恋、か」
371 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:09:47.38 ID:Dfqe93hWO
女友「……(どうしよう、男くんには、好きな人…いないのかな)」
男「……恋、」
女友「……男、くん?」
男「…いや、俺は、恋っていうものが、どういうものなのか、わからなくて」
女友「…どういうものなのか?」
男「……そう。女友さんは、わかる?」
女友「! …えっとね…(どうしよ…!顔が熱い…!)」
372 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:12:20.44 ID:Dfqe93hWO
女友「…恋っていうのはね、楽しいものだよ!」
男「…楽しい?」
女友「…うん!でも、すごく切なくて、辛いときもあるの」
男「辛いとき、切ないとき…」
女友「そう。だけど、毎日が幸せなの」
男「………」373 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:15:17.62 ID:Dfqe93hWO
同時刻 教室にて
女「…嫌だなぁ…勉強するために残ったはいいけど、なんだか雨降りそう…」
女「……そういえば、今日男のやつ、傘もってなかったかも…」
女「……しょうがないなぁ…」
女「……控室って、何回だっけ」
女「(相合い傘、できるかも…なんてね)」
375 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:17:36.97 ID:Dfqe93hWO
………
女友「…でね、好きな人の前だと、自分が自分でなくなっちゃうんだよ」
男「…自分が、自分で」
女友「そう」
男「例えば、どんな…?」
女友「……え、えぇと…」376 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:20:20.88 ID:Dfqe93hWO
女友「…た、例えば…」
男「ふむ」
女友「…近くに居たら、どきどきしたり」
男「………うん」
女友「いきぐるしくなったり、うまくしゃべれなかったり…」
男「…顔が、あつくなったり」
女友「……そう、って…え?」
377 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:22:41.03 ID:Dfqe93hWO
………
てく、てくてく
女「あんなところにあったのね、控室」
ごろごろごろ………
女「…やだ、雷」
女「…まだ練習終わらないのかしら」
女「……せめて終わる時間だけでも…」
380 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:27:25.79 ID:Dfqe93hWO
…………
男「…こんなふうにみつめられると」
女友「お、とこ、くん」
男「いてもたってもいられなくなったり」
女友「……!!」
男「もっとそばにいたくなるのも」ぎゅっ
女友「…うぁ、あの」
男「…恋、ですか?」ぎゅうっ
女友「……っ!」
がらがらがら
女「すいませーん、男います…か……?」
女「!!!」
男「………女、」
ぴしゃっ!!!ごろごろごろ……………
386 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:44:19.17 ID:w4v7xFR80
女にはぜひ男とくっついてもらいたい
387 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:53:03.67 ID:KL3U+SOW0
幼なじみスキーとしては女を応援せざるをえない
まあ、ここまでくるとアレだけどね・・・
388 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/20(月) 23:56:55.00 ID:ZweVWn2y0
女と物性格でこの後の妄想広がリング
389 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/20(月) 23:57:41.59 ID:Jlrhjd+JO
らめええええ
しえんんんんぅうう
390 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:00:04.93 ID:mq7DNFSgO
女がカワイソス´ω`
391 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:00:21.91 ID:B0m9TvWNO
女「………あ、あははは!ご、ごめん…お邪魔、だったみたいね…!」
男「…!お、女…」
女「ごめん、ちょっと用事あっただけだから…!じゃあ!」
女友「あ、女ちゃん!」
男「………っ」
ぱたぱたぱたぱた…
392 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:02:15.76 ID:B0m9TvWNO
ざあああああ………
女「………っ…なによ」
女「…しっかり、自分で気付いたんじゃない」
ざあああああ………
女「……あーあ、スニーカーもびちょ濡れだ」
……
…
女「………っ……」
394 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:04:58.05 ID:B0m9TvWNO
男「………」
女友「………あのね、男くん」
男「……?」
女友「…あたし、男くんが好き。一年生の時から、ずっと」
男「!」
女友「……さっきの」
男「……うん」
女友「……自惚れてもいいよね?」
男「……
きっと」
ざあああああ………
400 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:09:36.32 ID:B0m9TvWNO
運動会当日
団長「決戦の時はきた!今までの練習が全てみんなの励みになる!」
団員「うおぉおお!!!」
クラスメイト「なんか…応援団の人達って、これに命かけてるって感じ…」
クラスメイト2「だよね…あ、そうそう…応援団といえば、聞いた?」
クラスメイト「なにが?」
クラスメイト2「あたしたちのクラスの応援団要員二人、どうやらくっついたんだって!」
クラスメイト「えぇ!?マジー?!あー…これでまたクラスの恋愛要員が一人減った…!」
女「………」
404 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:14:28.14 ID:B0m9TvWNO
女「はーい!クラス点呼とるよー!並んで並んでー!」
ぞろぞろ
女「(案外…平気、なのかな…運動会の間は、二人は応援団行ってて会わないし…)」
クラスメイト「…な…」
女「…」
クラスメイト「おーんーな!」
女「! わぁ、な、なに!?」
クラスメイト「皆、並んだよ?座らせないの?」
女「…あ、ごめん…みんなー!すわってー!」
男友「………だから無理は禁物だっていったのになぁ」ぼそぼそ
406 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:18:55.71 ID:B0m9TvWNO
開会式終了
『それでは、まずは最初の種目、3年生の……』
女「…(リレーは1番最後の目玉種目、か)……ん、んん゙…っ!!」
クラスメイト「女?大丈夫~?風邪?」
女「…あ、ああ…うちのおばあちゃん、今ずっと風邪ひいてて、うつったのかしら…」
クラスメイト「ちょっと級長、頼むよ~!?リレーの期待の星なんだからね!」
女「……うん、…ごほっ…」
407 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:23:53.45 ID:B0m9TvWNO
…………
男「(…女、まさか昨日、傘ささずに帰ったのか…?)」
女友「おーとーこーくん!」
男「! 女友さん」
女友「うん!やっぱり男くん、黄色いミサンガよくにあってるよ、つくってよかった~!」
男「…ありがとう」
女友「がんばろうね、今日!」
男「うん、…綱引き、応援します」
女友「…あ、ありがとう…!!!」
『ごほ、げほ…っん゙ん゙…っ』
男「………」
409 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:27:48.55 ID:B0m9TvWNO
黄団長「フレーッ!フレーッ!きっ だっん!!!」
赤団長「気合いだァアアア!!燃えてけぇええ!!!」
青団長「あーお!あーお!」
男友「……出番って、なんなんだろうな…」しくしく
410 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:33:20.01 ID:B0m9TvWNO
『続いては、女子全体競技、綱引きです…』
女友「よーし!まっけないぞー!」
男「(…なんか不安)あ、女友さん」
女友「へ?」
男「靴紐、とれてるとれてる」
女友「あ、ほんとだ~。ありがとう…っ!?」
男「普段ローファーだから、なかなか気付きにくいのかも…はい、こうして結べば、なかなかとれないから」
女友「…あ、あ、ありがとう…!」
男「ローファーもいいけど、スニーカー、似合うね」
女友「…えへへ、ありがとう!にしても、よくこんな結び方知ってるね!」
男「……それは、」
411 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 00:36:13.02 ID:B0m9TvWNO
男「…」
【あたらしいくつひもの結び方あみだしたの!
これで大会のときも安心よ!】
女友「…男、くん?」
男「…!な、なんでもない…。ほら、早くいきなさいな」
女友「じゃ、いってきます!」
男「…頑張って」
男「…」500 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:06:39.01 ID:B0m9TvWNO
昼
がやがやがや…
女友「おとこくーん!みてたー!?綱引き!かったよー!!!」
男「見てた見てた。頑張ってたね」
女友「応援ありがとね!男くんの叩いた太鼓、たくさん聞こえたよ♪」
男「……ふむ」
男友「おーい、男~!」
501 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:11:08.92 ID:B0m9TvWNO
男「おお、お前居たのか」
男友「!!!! お前まで…そんなこと…」しくしく
女友「男友くん、どうしたの?」
男友「…ああ、そうそう。次昼食べたらすぐ騎馬戦だろ?うちのクラスのやつら、結構気合い入っててさ~
今から作戦会議するんだと。だからこいつ借りてくぜ!」ばんばん
男「いだだだだ…って昼あけすぐだと…聞いてないぞ」
男友「そりゃお前が聞いてなかっただけだっつの」
男友「んじゃ借りてくなー!」
男「……お、おい押すな!」
がやがやがやがや…
502 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:13:52.81 ID:B0m9TvWNO
男「…で。何の用だ、男友」
男友「ん?何がだ?」
男「しらばっくれてもそうはいかん。二人で話したいことでもあるんだろう」
男友「…なーんだ。わかってたのか」
男「まあ、俺たちのクラスがやる気だすわけないだろう」
男友「……いんや?それもどうかねぇ」
男「…?」
504 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:16:42.80 ID:B0m9TvWNO
男友「……まあ、とりあえず。お付き合いオメデトウゴザイマス」
男「! …知ってたのか」
男友「……バーカ。お前だけだっつの。告白されるまで女友の気持ちに気付かなかったの」
男「……ふむ」
男友「恋の病っつーのは怖いねぇ」
男「……まったくだな」
男友「ところで」
男「…??」505 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:19:08.21 ID:B0m9TvWNO
男友「…女友のどこが好きになったんだ?」
男「………ああ、それが」
男友「?」
男「……自分でも、よくわからない。けど、」
男友「ふむ」
男「…そばにいたら、………どきどき、するんだ」
男友「……!!!(あ、甘酸っぺぇー!!)…そうか」
男「……ああ、でも」
男友「…??」
506 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:20:35.94 ID:B0m9TvWNO
男「少し、ひっかかっているものがある」
男友「……ほう、なんだ?」
男「………それは、」
男友「まあ大体見当はつくさ。……女ちゃんだろ?」
男「………」こくり
507 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:23:59.60 ID:B0m9TvWNO
男「…女に見られたんだ、」
男友「ああ」
男「付き合い出した日、女友さんと抱き合ってたのを」
男友「……そうか、次の日…女ちゃん、元気なかったな」
男「…一言も喋らなかった」
男友「女友とは普通に話してたみたいだけどな」
男「……何故か、無理しているようにみえた」
男友「……ふむ」
510 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:27:58.07 ID:B0m9TvWNO
男「…最低かもしれんが」
男友「……ああ」
男「女友さんが近くにいても、なんとなく…女を探している自分がいる」
男友「……」
男「……スニーカーをはいている人込みのなかで、女だけは見つからない」
男友「…そりゃ故意にさけてるんだもんな」ぼそ
男「…女友さんがスニーカーを履いてた時も、何故だか気持ちがもやもやした」
男友「………おい」
男「……しかも女は今日風邪ひいてたかもしれな」
男友「おい!」
男「!」
512 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 18:35:25.87 ID:B0m9TvWNO
男友「……やめろよ」
男「……」
男友「お前が今付き合ってんのは誰だ!?女友だろ!?」
男「……そう、だ」
男友「ならあいつだけを見ろよ!…そりゃ女ちゃんのこと心配かもしれねぇけど…!」
男「……ご、めん」
ざわざわざわ……
「あ、あんなとこにいたぞ!」
男友・男「!」
クラスメイト「おいお~い…二人だけ来ないと思ったら喧嘩かぁ?」
クラスメイト「せっかくのやる気に水差すなよ~?」
男「…え」
516 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:00:42.30 ID:B0m9TvWNO
男友「……いったろ、嘘じゃないって」
男「…どうして」
クラスメイト「いや~、あんだけ頑張ってんだもんな、そりゃやる気出さないわけにはいかんだろ」
男「…え?」
クラスメイト「俺らのクラスの級長、なかなか競技決まらない俺達のことまとめてくれたんだぜ?」
クラスメイト「遅れて競技参加表出しにいって、先生に叱られてたのに、全然平気だっていってくれてさ…」
男「……」
男友「……っ」
クラスメイト「ほら、もうすぐ昼休憩おわんぞ!」
男「………っ!まだ食べてない…」
男友「…だな」
クラスメイト「はあ!?とっとと食えよ!何してんだ!」
男「…」
男友「……」
517 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:08:30.24 ID:B0m9TvWNO
………
女「……騎馬戦、もうすぐはじまるわね」
女友「うん!…女ちゃん、そういえばお風邪なおった…?」
女「……大丈夫よ、あたしがへこたれてたら、元も子も…ごほっごほっごほっ!!」
女友「女ちゃん、無理したら…!」
女「…大丈夫、大丈夫だから……ほら、はやく男の応援、いってらっしゃい」
女友「…でも」
女「…早く!」
女友「………うん、ごめんね…」
女「……ごほっ、いいのよ」
ごほ、ごほ…
518 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:12:59.71 ID:B0m9TvWNO
『それではこれより、騎馬戦を開始します…』
クラスメイト「よっしゃ!がんばるぞ!」
「おー!!!」
男友「……男」
男「…!」
男友「……さっきは、ごめん」
男「…いや、俺の方こそ…」
男友「…でも、女友のこと、ちゃんとしてくれよ」
男「…」
男友「…あいつが傷つくのは、見たくないんだ」
男「………ああ」
『それでは、皆位置について!』
男「……」
ぱぁあああん!
『スタートです!』
520 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:16:22.28 ID:B0m9TvWNO
………
女「(頑張って…!あとすこし、あとすこしでリレー、なんだから…!)」
クラスメイト「あ、女~!今パンフレットもってる?次の競技何かしりたくってさ~!」
女「…あ、えっと…(やだ…なんか頭ふらふらする…)」
クラスメイト「…女?大丈夫…?」
女「だ、大丈夫大丈夫!はい、これ」
クラスメイト「?…ホントに?顔真っ青よ?!」
女「…大丈夫、だから」
がやがやがやがや…
521 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:21:11.31 ID:B0m9TvWNO
男「…っし!(あとひとつぐらい鉢巻きとれれば…)っ!」ぐらっ
敵「よぉ、黄団の応援団さんよ~たくさん鉢巻きもってんだから、俺らにひとつぐらいくれや」にやにや
男「!(…まずい…このままだと…)…おお!」
敵「なんだ~?ってうおっ!」どん!
男友「…へっへーん!よそ見してたらすぐとるぜー?」
男「…ありがとな」
男友「へっ!まあお祭りは嫌いじゃないからな!」
女友「きーだーんっ!頑張ってー!」
男「…」
男友「…ま、あいつも頑張ってるしな」
男「……おう」
男友「……」522 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:25:28.98 ID:B0m9TvWNO
ピーッ!
『…そこまで!とれた鉢巻きは前で回収します、すみやかに……』
男「……はぁっ、はぁ…っ……(結構、疲れる…)」
男友「ナーイスファイト!まあ、一目瞭然…黄団頑張ったな!」
男「… ああ」
女友「みんな~!お疲れ様~!」ぴょんっぴょんっ
男友「…あいつ、こけそうだな」
男「……はは………ん?」
クラスメイト「…!!~~~!!」
がやがやがや
男「…何か、騒がしいな」
男友「……おい、あれ」
男「……!!!」
524 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:29:42.86 ID:B0m9TvWNO
クラスメイト「女!大丈夫!?」
女「…ごほごほごほっ!大丈夫…大丈夫だから…!」
クラスメイト「おい…どうすんだよ…この後のリレー、級長出なきゃ負けちまう…!」
がやがやがや…
男友「おい、ちょっと待てって!」
男「うるせぇ!すまん、ちょっとどいてくれ!」
がやがやがや…
女「………ごほごほごほ!(あれ、あれは…)」
男「……女!」
女「!…(おとこ、)」
525 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:33:31.26 ID:B0m9TvWNO
女「な、なにしにきたのよ!…ちょっと、立ちくらみしただけ…」
男「……ふざけんな!」
女「…っ!……なっ…!」
クラスメイト「……お、おい男!」
男「なんで無理するんだ、自分の体くらい大切にしろ!」
女「…だ、だってリレーが!」
男「………!…とにかく、保健室いくぞ!おい、男友!」
男友「…!な、なんだ!?」
男「こいつは保健室に連れてく。担任にいっておいてくれ」
男友「……お、おう!」
がやがやがやがや…
528 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:36:03.78 ID:B0m9TvWNO
保健室
女「……ごほっ」
男「…リレーまでまだ時間はある、それまで寝ておけ」
女「………」
男「返事」
女「……」こくり
がらがらがら、ぴしゃん
男「……」
529 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 19:40:31.78 ID:B0m9TvWNO
クラスメイト「…大丈夫かな、級長」
「………」
ぱたぱたぱた
女友「どうしたの?…あれ?女ちゃんは?」
男友「…倒れたんだ…風邪こじらしてんのに、無理して…」
女友「えっ!?」
男友「いまさっき、男が女ちゃんを運んでいった」
女友「…男くん、が?」
クラスメイト「…さっきの男くんの剣幕ぶり、すごかったよねぇ~…」
クラスメイト「驚いちゃった。普段あんなに大人しいのに…軽々女のことお姫様だっこしちゃってさ~」
女友「………」
534 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:01:19.52 ID:B0m9TvWNO
男「…ただいま」
クラスメイト「…級長は!?」
男「…一応、リレーまで休んどけっていって…きた。けどあの調子じゃ…」
クラスメイト「……そんな…」
クラスメイト「……今、赤団と点差が少ししかないよ…」
クラスメイト「……リレーで勝たなきゃ、負ける…」
クラスメイト「そんな~!ここまで頑張ってきたのに~!」
がやがやがや…
男友「お、おい!皆!」
男「…………皆、聞いてくれ」
クラスメイト「「…?」」
男「……俺に提案がある」
535 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:04:59.59 ID:B0m9TvWNO
…………
………
……
…
中女「わーい!男~!みてみて!自己ベストタイム更新♪」
中男「おー、すごいすごい」
中女「むぅ!何よぅ。その渇いた笑いは!」
中男「…まぁ、まだまだだってことだな。まぁ俺の走りを見てなさい」
中女「…!な、なによ!…そんなに変わらないくせ…に」
537 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:07:38.64 ID:B0m9TvWNO
中女「…!(姿勢が綺麗…前見たときよりも…!)」
先輩「よーし、準備できたよ~!」
位置について
用意…
先輩「どん!」ピッ
たったったった………!
中女「わ、わ、わ……!」
539 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:11:10.37 ID:B0m9TvWNO
ピッ!
中男「………はぁ」
先輩「うーん、素晴らしいねぇ…今度の大会も期待できそう♪」
中女「……すごい」
先輩「女ちゃんも、はじめに比べればすごい勢いで伸びてるよ?」
中女「!………どうも」
中男「ま、努力だな、努力」
中女「…っ!負けないんだから!」
中男「はっはっは」
541 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:17:03.52 ID:B0m9TvWNO
…………
部長「…うっし!日も暮れてきたし、今日はもう終わるか!」
「「はいっ!!!」」
部長「もうすぐ大会だからな~、気合い入れてけよ~」
中女「…(大会…!新人大会のときは散々だったから…っ、ドキドキする…!)」
中男「…柄にもないな、緊張してるとは」
中女「! う、うるさいわね!」
中男「…図星、か。よし。お前今日夜暇か?」
中女「…?暇、だけど」
中男「…なら、今日夜飯食べたらA公園に集合な」
中女「え!?ちょ、ちょっと!」
中男「先帰るぞー」
中女「ま、待ちなさいよ!」
542 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:20:12.62 ID:B0m9TvWNO
夜 A公園
中女「…遅い!」
中男「やー、悪い、悪い」
中女「何しにこんなところへ?」
中男「…いやあ、今日から大会までお前の走りを見てやろうと思いまして」
中女「なっ…!余計なお世話よ!(…自分の練習もあるくせに、)」
中男「俺の趣味でやるんだからいいんだよ。ほら走れ、走れ」
中女「…もう!」543 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:23:53.53 ID:B0m9TvWNO
…それから日は進み…
中女「……はぁっ!はぁっ!」
中男「…よし、今日はここまでだな」
中女「今日は、って!明日大会でしょう!?」
中男「わはは。まぁそうか…」
中女「……悪いわね、ずっと見てもらってて…」
中男「俺の趣味だっていっただろうに」
中女「……明日、がんばるわよ」
中男「はいはい。…さて、帰るか」
中女「…ええ」549 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:29:13.08 ID:B0m9TvWNO
ブロロロロ………
ブゥウウン……
中男「…すっかり暗くなったな」
中女「…もう秋だもの」
中男「あ、街頭…壊れてる」チカッチカッ
ブゥウウン!!
ブゥウウン!!
中女「…危ないわね、この辺車通りが多いの…に!!!!」550 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:29:49.14 ID:B0m9TvWNO
ブゥウウン!!!
キイィイイイイ!!!!
中男「…?どうした?おんな………っ!!!!」
どん…っ
…………
中男「うあぁあああああ!!!!」
中女「や、男!!!!!」
…………
………ポー
……ーポー
…ピーポー………
552 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:33:58.40 ID:B0m9TvWNO
『全治2ヶ月らしいわよ、あそこの息子さん』
『あら~次の日、大会だったんでしょう?』
『そうそう、陸上の…足早いから、期待されてたらしいのよ~』
『自信もなくしちゃうわね…それだけ日も空けば…』
中女「……っ!」
中男「…すごいな、大会2位だったんだって…?」
中女「…それは、男が教えてくれたから!」
中男「……いいや、もう俺は…」
中女「……えっ!?」
中男「…治っても、リハビリが続くんだとさ」
中女「……そん、な」
553 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 20:37:10.15 ID:B0m9TvWNO
中男「…お前にやるよ、そこのシューズ」
中女「!? 男、陸上は!?」
中男「…いったん区切りがつくと、なかなか起き上がるのは難しい…」
中女「そんな!そんなことって!」
中男「…よかった、お前が足わりかしでかくて。あの靴、走りやすいんだけどなかなか売ってなくて…だから、お前が履いてくれ。
ぼろぼろになるまで。ずっと」
中女「……っ!!!!う、ん………」595 名前:1[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:37:01.79 ID:B0m9TvWNO
がらがらがら
男「…………女」
女「……あ~あ、走りたかったわ…あのグラウンド…」
男「! 馬鹿、何言って…」
女「…皆にわあきゃあ騒がれて、やったねってハイタッチ…」
男「……」
女「……閉会式、出なくていいの?」
男「……ああ」
女「……かっこよかったわよ、男…ごほっ」
男「……ああ」
女「……それでね、」
男「……ああ」
女「………好きよ、」
男「………………ああ、………俺も、」
601 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:39:54.07 ID:B0m9TvWNO
女友「…………っ!」
男友「………おじょ~うさん?」
女友「!」
男友「盗み聞きはよくないねぇ。人も傷つけるし、自分も傷つく……」
女友「………あたし、ホントはね?最初から…わかってたのかもしれないね…」
男友「……ごめんな、俺が余計だったんだ、きっと」
女友「……そんなこと、ない…よっ………ぐす、っ…ぐすっ…」
606 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:41:44.42 ID:B0m9TvWNO
閉会式後
クラスメイト「と、いえば!」
クラスメイト「ダンスパーティー♪さて、お目当ての男子はどこに…」
クラスメイト「も、いねぇよちきしょー!!!!」
クラスメイト「……」
608 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:44:10.11 ID:B0m9TvWNO
がやがやがや………
屋上
女友「……どうしたの?男くん…こんなところに呼び出して」
男「………いや、えっと………」
女友「…………えへへ、わかってるよ!………わかってたの。好きになったときから、この恋はあきらめなきゃって」
男「…………っ!
ホントに…ごめん…!!」
女友「…いいの、…あ、でも…」
611 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:46:04.12 ID:B0m9TvWNO
男「…なに?」
女友「……やっぱり、なんかむかつく!から、…ほっぺ、貸して?」
男「!…どうぞ、殴って下さい」
女友「……あはは、うん、覚悟して?……いくよ!」
男「…………っ!」
614 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:48:11.08 ID:B0m9TvWNO
…………
ちゅ。
男「…………!」
女友「……えへへ!もらっちゃった♪ほっぺ…」
男「あ、えっと……」
女友「……大事な人は、ちゃんとこれからも見失っちゃ駄目だからね?」
男「………ありがとう」
女友「………さよなら!」
ぱたぱたぱたぱたぱた…
618 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:51:28.89 ID:B0m9TvWNO
女友「……っぐ…!……うわぁああん!」
女友「………っっ、」
「………キュ キュ キュ キュ キュ キュ」
女友「………??」
「すねて横向きゃ なおかわい♪
ブンガチャ チャ ブンガチャ チャ
恋の病いに お医者をよんで…」
男友「……何故だか呼ばれた気がしてね」
女友「………男友、くん」
男友「……踊りませんか?僕と」
女友「………あはは、
………
こんなわたしで、よければ」
623 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:55:39.48 ID:B0m9TvWNO
女「………おーとーこ」
男「! 女、か…もう風邪はいいのか?」
女「まあね!…せっかくのダンスパーティーですもの」
男「……お前、」
女「……ふふ。クラスの子に借りちゃった。おめかししてきたのよ?」
男「……似合うよ、きっと、そのお前が見たかったんだ」
女「…踊ってくれる?一緒に」
男「……ああ。もちろん」
♪♪♪♪♪
624 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 21:58:26.78 ID:B0m9TvWNO
女「…やっぱり動きづらい。ローファーって」
男「…いつもスニーカーばかり履いてるからだ」
女「いいじゃない!走りやすいし、種類も豊富だし」
男「……そそのかしたのは俺だけどな」ぼそ
女「?」
男「……しかしおかしい」
女「…?」
626 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:01:52.27 ID:B0m9TvWNO
男「お前といても、ドキドキはしないんだ」
女「!?…なんですってぇ~!?」
男「いだだだだ!!!…さてはて…なんでだろう…」
女「…ったく!」
男「……ああ、でもひとつ修正」
女「…?」
627 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:05:18.26 ID:B0m9TvWNO
男「…今のお前には、全身全霊を懸けてドキドキしてる」
女「……!!!そ、そういうの、反則よ!」
男「わはは、でも本当だ」
女「~!!!!馬鹿!」
男「やあ、ローファーは、男のロマンだよ」
女「………」
男「…俺は変わってしまったお前が、寂しかったのかもな」
女「…?」
男「また昔みたいにきてくれよ、ふわふわふりふりの服」
女「!……ばーか!」
630 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:10:22.62 ID:B0m9TvWNO
日は過ぎて…
クラスメイト「あ~!女友!髪の毛切ったんだ!スポーティ~!」
クラスメイト「ローファーもやめたの?なんかかっこよくなったね~!」
女友「うん!ありがとう!…あ、男くん!」
男「……おお、」
女友「おはよう!…あのね、私、また武道始めることにしたの!」
男「…ほう。それはそれは」
女友「…やっと自分らしさに気付いたの!だから…」
女友「…ありがとね、男くん」
男「……うん」
632 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:13:31.72 ID:B0m9TvWNO
男友「……よっ、色男!」ばんっ
男「……おう、……ん?どうしたその傷は」
男友「よくぞ聞いてくれたな!まぁ、…俺も昨日から武道を始めたわけさ!」
男「…ふむ」
男友「…だ、断じて不埒な理由じゃないぞ!」
男「……」
男友「……うるさいやい」
男「頑張れ、な…」
男友「お前にいわれたくない!」しくしく634 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:17:40.15 ID:B0m9TvWNO
男「……で、お前は何も変わらないのか…」
女「おめかしの魔法は一日だけっていうのがお約束よ?」
男「……ああ、そう」
女「……まあ、」
女「……気が向いたら、ね」
男「…なら向くような魔法の言葉はないものか…」
女「?」
635 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:19:19.42 ID:B0m9TvWNO
男「…はぁ…お前、いつもスニーカーなんだな」
女「………うるさい!」
男「いでででで…負けず嫌いを逆手にとった、効果的な言葉だと思ったんだがな」
女「………むかつく!」
おわり!
641 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:22:07.42 ID:B0m9TvWNO
お疲れ様でした~!
結局パー速つかわなかった(´・ω・`)
たててくれたのに申し訳ない…
ホントは色々まだこのあとにおばあちゃん風邪フラグをつかってもっとのばそうとおもったけど区切りがいいのでここで。
誤字とか多くてホントにすまない。
けど初めて自分でSS書いて、こんなに保守とか
してくれる人がいて涙出たよ…
ホントにありがとう!
650 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:25:50.99 ID:B0m9TvWNO
こちらこそお疲れ様
余ったレス分はどうしよう…
なんか質問とかある?
せっかくの機会だし…
655 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 22:27:51.69 ID:Hpgv4dfC0
>>1のスペック
656 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:31:13.64 ID:B0m9TvWNO
>>655
高校2年
性別は想像にまかせた
スペックって他何書けばいいかわからない658 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 22:33:08.38 ID:NDEu1CrF0
>>650
質問は特にないが、贅沢を言うと
女がもう一度ふわふわふりふりの服を着る後日談が読みたい
663 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:44:19.59 ID:B0m9TvWNO
>>658
女「…(ふわふりの服、か)」
女「おばあちゃーん!」
祖母「あらあら。どうしたの、女ちゃん」
女「…あのね、ええと…(今更ふわふわがどうとか恥ずかしくて言えないよ…!)」
祖母「……ふふ。こっちにいらっしゃい女ちゃん」
女「?」
がちゃり
女「…こ、これは!」
祖母「ふふふ…こんなこともあろうかと、たーんと買ってありますよ」
女「…(ぬかりない…!)」
こんな感じですかわかりませ(ry
男「…なんというか準備が早いというか」
女「ち、違うわよ!おばあちゃんが、その」
男「…まあ似合ってますよ、とても」なでなで
女「!!!…うっさい!」
男「いだだだだ」
657 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:31:29.93 ID:hov5iOlhO
伏線をどういう風に回収するつもりだったのか
だな
666 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:46:25.59 ID:B0m9TvWNO
>>657
おばあちゃんフラグはおばあちゃんが歳のせいと風邪のせいとかともろもろが重なってポックリいってしまい、女は外国にいかなきゃならなくて男が、やっぱり幼なじみも腐れ縁も裏切り者は裏切り者だー!
みたいなかんじだったんだが
グダグタになりそうだったからやめますた
670 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 22:52:44.28 ID:lCl14y39O
男の女のキスシーンが欲しかった674 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 23:08:00.95 ID:B0m9TvWNO
ですよね\(^O^)/
やっぱ簡潔におわらせといてよかった!
呪いの数字ワロタw
キスシーンかw
なんかそうやってリクエストでいわれると恥ずかしいが…
女「…目をつぶりなさいよ!」
男「…ばればれですな」
女「むーかーつーく!」
男「…あ、睫毛にゴミついてる。はい目閉じて」
女「は、早くとりなさい、よ…!!!?」
………
男「ご馳走様でした」
女「………きぃー!」
675 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 23:19:46.92 ID:9l8tYG5iO
登校シーンで男が頭かきながら歩く
女がカバンでケツ叩いて走らないと遅刻だー
で二人で走るシーンくれ
677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/21(火) 23:26:45.81 ID:B0m9TvWNO
>>675
てくてくてく
男「…あー、朝日がまぶしい」
男「……むにゃむにゃ」ぽりぽり
ぽかぽか…
男「………今…何時…だっ!!!!!!っつ…!」ばんっ!!!
女「何してんのよ!?ほら、早く行くわよ!走らないと遅刻遅刻っ!!!」ぐいっ
男「あだだだだ!引っ張るなって!」あたふた
女「あはは!よーい、どんっ!」
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